
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの箭吹雅代です。
人生の節目で見直すことで強い家計を作る家計見直し相談を行っています。
さて、今日のテーマは「離婚のお金事情を知る~離婚前後に必要なお金はいくら?~」です。
離婚後の生活が不安で離婚に踏み切れない。新しい人生に踏み出すためには、離婚後の生活を不安から安心に変えること、それが必要です。
そして、離婚後の生活の不安の原因がお金であることは決して少なくありません。
収入が安定していることは、離婚後の生活を支える重要課題です。
今日は、離婚後の不安を安心に変えるための仕事・収入について解説していきたいと思います。
もくじ
就職は離婚する前?離婚してから?
結婚・出産を機に仕事を辞めて専業主婦になった方、パート勤めに切り替えた方は、婚姻中は配偶者の収入に頼って生活していたのではないでしょうか。
しかし、離婚後は自身の収入で生活していかなければなりません。
そのことが不安であり、離婚をためらう理由ではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、平成28年度のひとり親世帯(母子世帯)の就労状況は、正規の職員・従業員が44.2%、パート・アルバイト等が43.8%となっており、これを反映してか、ひとり親世帯(母子世帯)の困っていることの50%は家計についてです。
約半数がパート・アルバイトに従事しており、半数が家計に困っている。
低収入が家計の不安につながっているのではないかと推定できます。
パート・アルバイトが必ずしもダメというわけではありません。
ただ、必要な生活費より収入が低ければ困窮することは明らかです。
それなら生活費を削ればなんとかなるのではないか?と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、案外生活費というのは簡単には削ることが出来ません。(毎日外食など贅沢をしていなければ)
ですので、まずは、生活費がいくらかかるのかを計算し、それを上回る収入を得るために行動しなくてはなりません。
そして、ここで大事なのは、仕事は離婚前に決めておくことが望ましいです。
理由は2つ
- 離婚自体にもまとまったお金が必要になるから
- 離婚後思うように就職できなければどんどん困窮していくという大きなリスクを背負ってしまうから
離婚自体に大きな労力がいりますし、さらに就職活動となると大変なのはわかります。
でも、お金がない不安は本当に大きなストレスです。
いつ仕事が見つかるか分からない状況が何か月も続くのは決して望ましい状況ではありません。
いくら大変でも、きちんと計画を立て、離婚前に仕事探しをすることは、その後の人生が大きく変わってくると言っても過言ではありません。

離婚前に必要なお金を知る
あなたは離婚を決意したとします。
さて、いくら必要でしょうか?
離婚すると決めたときには、いくらかかるのかなんて、お金のことまでなかなか考えが及ばないかもしれません。
もちろん人によって事情が違うので、一概には言えませんが、大体100万円ほど必要になると考えておいてください。
離婚にかかるお金については、別の記事で詳しく解説していますので、こちらも合わせてチェックしてみてください→まずは知るところから。離婚の前と後必要なお金
今日明日で用意するのは大変な額ですよね。
貯金があれば問題ないかもしれませんが、それでも使い切ってしまっては、離婚後の生活が心許なくなってしまいます。
いきなり離婚する前から躓く、そうならないようにもやはり仕事を得ておくことは大事ではないでしょうか。
離婚後の生活費を計算してみる
さて、離婚後の生活の不安を安心に変えるにはまず、離婚後の生活費が一体いくらになるのかを計算する必要があります。
婚姻中の生活費を100%だとすると、大体70%くらいで考えるとざっくり把握出来ます。
引っ越しして家賃が安くなったり、反対に持ち家だったのに賃貸になって家賃が発生したりと事情が変わる場合は、そのことも加味して考えられるとベターです。
反対に、収入と生活費を計算することで、家賃がいくらまでなら払えるか、家探しの参考にすることもできます。
参考として、総務省の家計調査によると、2019年度の単身世帯の1か月当たりの支出額は163,781円となっています。
離婚後1人暮らしをするのであれば、生活費として月17万円くらいは必要ということです。
しかし、正直、いざというときのため、将来のために月々貯金もしたいところ。となると、月20万円ほど稼げる仕事が理想です。
そうです、パートではなかなか厳しいことが分かります。
時給1000円で毎日8時間、月25日働いたらちょうど20万円。
不可能ではありませんが、かなりハードです。
また、どうしても休まなくてはならないときがあれば、収入は減りますので、不安定ですよね。
正社員であれば有給もあり(パートでも設けている職場もありますが)、月給で働いた方が安定はすると思うのです。
ブランクがある、子供がまだ小さいなどの理由で今すぐは難しくても、将来は正社員で働くことを考えて準備をしていくこと、パートであっても必要な生活費を確保する準備をしてから離婚に進むことがその後の生活に困窮しないためには大切になってきます。

ひとり親世帯のための就職支援について
さて、いくら離婚前に就職することが大事!と言われても、具体的にどうすればいいのか分からない、という方もいらっしゃるのではないかと思います。
こういうときは、公的支援を最大限活用してみましょう!
例えば、母子父子家庭自立支援給付金事業。
母子家庭の母又は父子家庭の父の自立支援のため、対象となる教育訓練を受講し、修了した場合にその経費の60%が支給されます。(下限は1万2千1円、上限は修学年数×20万円、最大80万円) (雇用保険の教育訓練給付金の支給を受けることができる場合、その支給額との差額が支給されます。下限は1万2千1円)
支給については、受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要がありますので、必ず事前にお住まいの市(町村在住の方は都道府県)に相談してみてください。
また、ひとり親世帯にとっては、小さな子供を抱えて仕事を探すのは大変です。
だからこそ、シングルマザー向けの就職支援を上手に活用したいものです。
子育てをしながら職を探す人のために全国にマザーズハローワークがあります。
これは、子育てと仕事の両立を目指す方、出産・子育てでブランクがある方等を支援するためのハローワークです。
託児所サービスが付いているセミナーがあったり、キッズコーナーが併設されていたり、子供が一緒でも安心して就活が出来る環境が整っています。
最寄りのマザーズハローワークは、厚生省のHPから確認することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
離婚は人生において大きな出来事です、なかなか冷静に考えてそつなく準備するのは難しいです。
初めてのことで、戸惑うこともたくさんあるでしょう。
しかし、離婚手続は終わりがありますが、離婚後の生活はずっと続いていきます。
不安な生活が続くより、安心して生活できること、それはこれからの人生を考える上で何よりも重要なことではないでしょうか。
人生は人それぞれであるように、家計もそれぞれです。
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