
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの箭吹雅代です。
人生の節目で見直すことで強い家計を作る家計見直し相談を行っています。
さて、今日のテーマは「知らなきゃ損する?教育資金を賢く準備する方法」です。
人生3大資金の一つと言われる教育資金。その額は子供の人数が多くなるほど大きくなり、頭を悩ませるところではないでしょうか。
そんな中、「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」の特例が延長&見直しされました。
そもそもどういう制度でどんなメリットがあるの?
今日は「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」について解説していきます。
もくじ
教育資金はいくらかかる?
まず、子供の教育費が一体いくらかかるか見ておきます。
一番費用が安くて済むのは、小学校~大学まで全て国公立の場合です。
この場合、約1,000万円かかります。
反対に、一番費用が高くなるのが小学校~大学(理系)まで全て私立の場合です。
この場合、約2,500万円かかります。
文部科学省の、「子供の学習費調査」(平成30年度)では、幼稚園から高等学校までの教育費を、日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」では、大学での教育費を知ることができます。これらをまとめると、以下の表のようになります。
*見やすいように、千円以下は四捨五入しております。

こちらの表を使って、各ご家庭の進学予定に合わせて計算してみてください。
例えば小学校から中学校まで公立で高校・大学が私立の場合は、約1,500万円であることが分かります。
教育資金の一括贈与に係る非課税措置の特例とは?
「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」の特例は、30歳未満で、前年の合計所得金額が1,000万円以下の子や孫に、父母や祖父母が教育資金として贈与した場合、1人1,500万円までが非課税となるものです。
この制度は、2021年3月31日で終了の予定でしたが、2年延長されることとなり、2023年3月末までとなりました。
贈与税は、通常、110万円を超えると課税されるため、この制度の節税効果はかなり大きいと思われます。
ただし、適用されるには諸条件があります。
■教育資金の一括贈与に係る非課税措置
贈与する人:父母や祖父母
贈与を受ける人:満30歳未満の子や孫
用途と金額:
①学校等に支払う教育費用(入学金や授業料など)→1人につき1,500万円
②学校以外の教育費用(塾・習い事・通学定期代・留学費用等)→1人につき500万円
*①+②の合計金額は贈与を受ける人(子・孫)1人当たり1,500万円まで
注意点:
- 確定申告の必要あり(贈与税0円でも申告しなければならない)
- 贈与される人(子・孫)が30歳に達した日に教育資金として使用せずに残っている金額は、その年の贈与税の対象となります。
- 贈与する人(父母や祖父母)が亡くなった時点で使いきれなかった金額は全て相続財産に加算されることになります。ただし、贈与を受ける人(子や孫)が23歳未満や在学中の場合は課税対象となりません。

“教育費“の対象となる費用とは?
「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」の非課税対象となるのは、教育費のための贈与のみです。
とはいえ、教育にかかる費用と言っても色々な費用があります。
一体どんな費用が非課税対象の費用と言えるのでしょうか?
■対象となる費用(国税庁HPより)
1.学校等に支払う教育費用→1人1,500万円まで
①入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
②学用品の購入費、修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など
(注) 「学校等」とは、学校教育法で定められた幼稚園、小・中学校、高等学校、大学(院)、専修学校及び各種学校、一定の外国の教育施設、認定こども園又は保育所などをいいます。
2.学校以外の教育費用→1人500万円まで
③教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など
④スポーツ(水泳、野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など
⑤ ③の役務の提供又は④の指導で使用する物品の購入に要する金銭
⑥ ②に充てるための金銭であって、学生等の全部又は大部分が支払うべきものと学校等が認めたもの
⑦通学定期券代、留学のための渡航費などの交通費
*2019年7月1日以後に支払われる上記③~⑤の金銭で、贈与を受ける者が23 歳に達した日の翌日以後に支払われるものについては、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用に限ります。

教育資金の一括贈与に係る非課税措置の利用のしかた
「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」を利用するためには所定の手続きが必要となります。
1.口座開設と資金入金
①「教育資金贈与」を取り扱う銀行や信託銀行で口座を開設
②贈与する人が口座に入金する
③税務署に「教育資金非課税申告書」を提出(ただし、金融機関経由で提出されますので、直接税務署に提出する必要はありません。)
2.教育資金の払い出し
贈与された人は、教育費用に使ったお金の領収書などを口座のある金融機関に提出し,
払い出します。
尚、教育資金の払い出し手続きは金融機関によって異なります。口座開設を検討する際に、自分にとって使い勝手の良い銀行や信託銀行を調べておくとよいと思います。
3.教育資金贈与口座の終了
- 贈与された人が30歳に達した場合(学校等に在籍している場合は除く)
- 贈与された人が死亡した場合
- 口座残高がゼロになり、口座契約終了に同意した場合
まとめ
いかがだったでしょうか。
大きな負担となる教育資金ですが、もし援助が得られる場合は、このような制度を賢く利用し、出来るだけ負担を減らしていくことは今後の人生プランを考える上でも有効ではないかと思います。
若干手続きは面倒ではありますが、それ以上のメリットはあるのではないかと思います。
人生は人それぞれであるように、家計もそれぞれです。
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