
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの箭吹雅代です。
人生の節目で見直すことで強い家計を作る家計見直し相談を行っています。
さて、今日のテーマは「男性には離婚とお金はどう見えているのか」です。
離婚に関する情報源はたくさんあります。その中にはお金に関するものも多々あります。
しかし、その多くが女性向け、妻目線のものではないでしょうか。
ですが、離婚は男女が関わるもの。
また、妻だけが離婚についての情報を求めているわけではないと思います。
そこで、今日は男性からみた離婚とお金について解説したいと思います。
もくじ
男女で異なる離婚の景色
同じ物事でも、立場が違えば見え方が全然違ってくることがあります。
離婚においては、それが如実ではないかと感じます。
例えば、離婚の原因に関しては、明らかな理由がない場合、どちらが悪いとは言えないはずなのですが、両者の言い分は全く異なったりすることは珍しいことではないでしょう。
それと同じように、離婚の際、お金に関する問題においても、男女で全く見え方が異なっています。
それはなぜか?
それは、男女で“権利の捉え方”が違うからです。
お金に関して言えば、財産分与や年金分割などにおいては、平等であるべきです。
そして、もちろん、権利は平等です。
男性だからと言って不平等な扱いをされるような制度ではありません。
ですが、皮肉なことに、この“権利が平等”であるがゆえに特に男性が不利だと感じてしまうことが多いのです。

夫にとっての財産分与
財産分与と聞くとどう感じますか?
①いくらもらえるの?
②いくら取られるの?
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に二人で築いた財産を分けることです。
ここで対象となる財産は、二人で協力して得られた財産ですので、名義が夫であっても妻であっても対象になります。
反対に、結婚前から保有していた財産や、親等からの相続や贈与による財産は財産分与の対象にはなりません。
さて、ここでポイントとなるのは、財産を“平等に”分けるということ。
しかし、夫婦は必ずしも“平等に”財産を所有しているとは限りません。
例えば夫が働き、妻が専業主婦である場合、収入は夫の活動によって得られているといえます。そうすると、夫は自分の稼いだお金を妻に渡さなければならない、と感じます。
もちろん、権利としては、財産の多い方から少ない方へ、もしくは共有財産を等しく分けるというものですので、必ずしも夫から妻へ分与しなければならないわけではありません。
妻の方が貯金を多めに持っていることだって考えられます。
なので、場合によっては、妻から夫へ分与されることも、もちろんあります。
しかし、そうはいってもまだまだ妻より夫の方が稼ぎ頭である場合が多く、そうなると夫から妻へ分与という構図になります。
妻が専業主婦で収入がない場合でも、内助の功によって、資産形成に寄与したと考えられますので、その妻の働きも考慮されるのです。
夫としては自分が稼いだお金なのですが、それは“平等な権利”の前では、夫婦が共同で得た財産なのです。
とはいえ、やはり、夫から見ると、自分の貯金が半分“取られる”と感じる方は多いように思います。

夫にとっての年金分割
もし、夫が会社員で、厚生年金の加入者である場合、年金分割の対象になる可能性が高いです。
年金分割制度とは、厚生年金を対象に離婚時に分割する制度です。
年金分割の対象となるのが、厚生年金の報酬比例部分のみです。
また、厚生年金のうち、分割されるのは、あくまで婚姻期間中の加入分のみが対象です。
分割の割合は最大2分の1とされています。
ここで注意すべきなのが、分割の割合は必ずしも2分の1ではありませんが、場合によっては強制的に2分の1に分割されてしまうことです。
強制的に2分の1になるのは、2008年4月以降に結婚し、妻が第3号被保険者の場合です。
この場合、年金事務所で手続するだけで2分の1に分割完了してしまいます。
夫に拒否権はないのです。
これもやはり、内助の功で支えた妻が、離婚後に不平等な扱いを受けないようにと設けられた制度です。
妻からしたら、手続一つで年金が分割できる、有利な制度とみることができます。
しかしその反対に、夫にとっては将来年金を受け取る額に影響する制度と言えます。
年金制度についてもっと詳しく知りたい場合は関連記事もどうぞ
まとめ
まだまだ男性向けの離婚情報は少ないように感じます。
そして、女性だけでなく、男性も離婚において不安に感じていることはもう少し理解があってもいいのではないかと考えています。
確かに離婚後の生活に不安を感じている女性は多いと思います。
しかし、だからといって男性が全く不安を感じていないか、というとそうとは限らないと思うのです。
人生は人それぞれであるように、家計もそれぞれです。
自分にあった家計診断をプロに相談してあなただけの強い家計を作ってみませんか。
強い家計は幸せにつながります。
個別のWEB相談も受け付けております。
関連記事