
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの箭吹雅代です。
人生の節目で見直すことで強い家計を作る家計見直し相談を行っています。
さて、今日のテーマは「独立を考えたときに知っておきたい個人事業主の年金」です。
独立するとき自分の年金ってどう変わるのでしょうか。
それによって将来受け取れる年金額も変わってくるので、気になるところです。
今日は、個人事業主の年金について解説していきます。
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もくじ
年金制度と個人事業主
まずは年金のしくみについて簡単にお話したいと思います。
日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人は全員国民年金に強制加入となります。さらに、企業の従業員で原則70歳未満の人は厚生年金に加入します。

被保険者はそれぞれ受け取れる年金が異なっており、第1号」被保険者と第3号被保険者は国民年金のみですが、第2号被保険者のみ国民年金と厚生年金が受け取れます。
- 第1号被保険者は学生や自営業
- 第2号被保険者は会社員や公務員
- 第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者
と属性によって3種類に分かれています。
この中で、個人事業主は第1号被保険者ということになります。
会社員である第2号被保険者は厚生年金に加入しているのに対し、第1号被保険者である個人事業主は国民年金のみとなりますので、自ずと会社員に比べて将来受け取れる年金は少なくなります。
国民年金のみの場合、国民年金の保険料を満額支払ったとしても、年金だけで生活していくには厳しい金額です。
一方、個人事業主には定年退職がないので、65歳以降に収入を得ることは可能のため、年金受給額が少ないからといって必ずしも生活が厳しくなるとは限りません。

将来の年金受給額に不安を感じたら?
とはいえ、将来のことは分からないものです。
不安に感じたときは、公的年金だけではなく、自分で老後資金を増やす努力が必要となります。
老後資金の準備のしかたとしては、主に3つの方法があります。
- 1.貯蓄する
- 2.国民年金にプラスする
- 3.個人年金保険に加入する
1.貯蓄する
将来の年金受給額はいくらかを確認し、それを差し引いて老後いくら準備しておく必要があるのか把握すれば、必要な貯蓄額も見えてきます。
貯金のいいところは、柔軟に対応できるところです。
老後資金として貯めていても、急にお金が必要になったときに、緊急の軍資金となってくれます。
しかし、裏を返せば、いつでも使えるため、予定額を貯められない可能性もあります。
2.国民年金にプラスする
第1号被保険者が年金額を増やす方法があるので、それを活用し、受給額を増やします。
- 付加年金
- 国民年金基金
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- 付加年金
付加年金とは、月額400円を国民年金保険料に上乗せして納付すると、付加年金納付月数×200円が毎年受け取れる制度です。
例えば10年だと200×120=24,000円が毎年上乗せになります。
何年納めても計算上2年で元が取れるので、実はかなりオトクではないかと思います。
こちらは第1号被保険者のみが対象となる制度です。
・国民年金基金
第1号被保険者が任意で加入できる公的な年金制度です。
加入口数を自身で選択するのですが、上限が決まっており、個人型確定拠出年金(iDeCo)と合算して月額68,000円までです。
掛金は全額社会保険料控除として所得控除の対象となりますので、節税効果も期待できます。
一方、付加年金との併用は出来ませんので注意が必要です。
・個人型確定拠出年金(iDeCo)
“イデコ“という名前の方がよく聞くかと思います。
掛金を預金・保険・投資信託などで運用し、運用結果に応じた年金を60歳以降に受け取る制度です。
個人事業主(第1号被保険者)の場合、掛金の上限は月額68,000円までです。
付加年金、又は国民年金基金との併用は可能ですが、併用した場合、掛金は合算で月額68,000円までとなります。
付加年金の場合月額400円ですが、iDeCoの掛金が1,000円単位なので、付加年金と併用した場合は67,000円が上限となります。
iDeCoのメリットは何といっても税優遇。
掛金全額が「所得控除」の対象になります。
運用益が「非課税」です。
受給額は「退職所得控除」「公的年金等控除」の対象になります。
3.個人年金保険に加入する
個人年金保険とは、毎月保険料を支払い、契約時に決めた年齢から年金を受け取るというもので、民間の保険商品です。
この個人年金保険にはさまざまな種類があります。

メリットとしては所得控除が受けられること、老後資金を増やせること、反対にデメリットは途中解約すると返ってくるお金が支払った保険料より少なくなる場合があることなどが挙げられます。
支払った保険料に対し、受け取れるお金が大きく増えるということでもないので、途中で解約して損することを考えると、積極的に入る必要はないのかなとは思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
老後が不安なのはわかります。
しかし注意すべきなのは、バランスです。
老後資金を若いうちから準備することは勿論大切なのですが、老後の心配にばかり気を取られて今の生活が厳しくなったり、緊急でお金が必要になったときに使えるお金がないのは問題です。
特に個人事業主は収入が不安定で、今後の見通しがたちにくいため、周りに惑わされず、しっかり家計を把握し、今の生活に無理のない程度で老後資金を考えてみてください。
人生は人それぞれであるように、家計もそれぞれです。
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