
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの箭吹雅代です。
人生の節目で見直すことで強い家計を作る家計見直し相談を行っています。
さて、今日のテーマは「本当は損してる?!投資信託の分配金はもらえるからといってお得とは限らない?」です。
投資信託の分配金、毎月お金がもらえるなんてうれしい・・・
でもそれ、自分が払ったお金が戻ってきているだけだったら?
今日はそんな投資信託の分配金の仕組みについて解説していきたいと思います。
もくじ
投資信託とは?
まず、簡単に投資信託のしくみについてお話しておきたいと思います。
投資信託とは、色々な人から集めたお金を、運用の専門家が色々な金融商品に投資し、その利益が投資した人に還元されるものです。
投資の対象には、「株式」「債券」「不動産」等、色々あり、また国内市場だけでなく、海外市場の金融商品に投資するものもあり、対象となる市場もさまざまです。
つまり、投資信託とは、「詰め合わせ商品」
1つの商品に数種類の株式や債券等が入っており、それらを専門家が運用し利益を上げていきます。
どんな金融商品を詰め合わせるのかは投資信託ごとに異なっています。
投資信託も値動きがありますが、基本的には1日1回だけです。
しかし、投資信託の中には、株式のように、市場が開いている間常に値動きしているものもあります。それがETF(上場投資信託)や、REIT(不動産投資信託)と言われるものです。
ETFやREITは株式と同じように上場して証券取引所で取引され、株式と同じ方法で取引が出来ます。
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投資信託分配金のしくみ
さて、ここからが本題です。
投資信託の分配金のしくみについて解説していきたいと思います。
分配金とは、投資によって得た収益から投資家に還元されるお金です。
投資信託によってはこの分配金が支払われるものと、支払われないものがあります。
さて、この分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」の2種類あります。
それぞれどんな意味があるのでしょうか?
「普通分配金」は運用によって得た利益から支払われる分配金、それに対して「元本払戻金(特別分配金)」は元本から取り崩して支払われる分配金です。
つまり、元本払戻金はお金が戻ってくるだけで、利益を受け取っているわけではないのです。
例えば投資信託を10,000円で購入し、運用の結果、11,000円になったとします。
分配金が500円だった場合、11,000円から分配金が支払われ、投資信託の価格は10,500円となります。
このときの分配金は利益から支払われたものなので、「普通分配金」です。
一方、投資信託を10,000円で購入し、運用の結果、10,300円になったとします。
分配金が500円だった場合、10,300円から分配金を支払うと、投資信託の価格は9,800円となります。
元々、10,000円支払っているのが9,800円になったので、差額200円は元本を取り崩して支払われていることとなります。
この取り崩した200円が「元本払戻金(特別分配金)」です。
普通分配金は利益から支払われるものなので、課税対象ですが、元本払戻金は元本が戻って来ただけなので、非課税です。
これが投資信託の分配金のしくみです。
分配金で損しないために注意しておくこと
さて、分配金には利益から支払われる「普通分配金」と元本を取り崩して支払われる「元本払戻金(特別分配金)」があることが分かりました。
投資信託には、分配金が支払われるタイプと支払われないタイプがありますが、分配金を支払われる方がオトクな気がするし、何よりうれしいしので分配金が支払われるタイプを選びたくなってしまうかもしれません。
しかし、投資信託の場合、分配金を支払うということは、投資に回すはずのお金を分配してしまうということなので、その分、投資に回せるお金が減少してしまいます。
現金で受け取ってしまうと、それ以上は増えないので、それなら受け取らずに投資に回す方が運用によってお金が増える可能性もあります。
特に投資信託は長期投資に向いているので、分配金を受け取れるタイプより分配金がないタイプの方が結果的にオトクということも十分考えられるのです。

分配金が受け取りたいなら検討したいREIT
分配金を受け取らない方がオトクかもしれない。
確かに理屈は分かっても、でもやっぱり分配金って、うれしいではないですか!
もし、分配金が受取れるタイプを希望するのであれば、REITを検討してみてはいかがでしょうか。
REITは投資信託の一種ですが、投資対象が不動産です。
投資対象となるのは、マンション、ホテル、オフィスビル、商業施設、物流施設、ヘルスケア施設など大きな建物が主な対象です。
色々な人からお金を集めて不動産を購入し、運用します。
不動産ですので、賃料や売却益などが得られます。
そうして得られた収益を投資した人に還元していきます。
つまり、不動産投資のREITの場合、分配金の原資がこの不動産から得られた賃料や売却益なのですが、その利益の90%を配当しなければならないというルールがあります。
利益の90%を分配する、ということで、分配金は高めに設定されています。
なので、もし分配金を受取りたい場合、REITは一つの選択肢ではないでしょうか?
まとめ
いかがだったでしょうか。
私自身、初めは投資信託のしくみが分からず、戸惑った記憶があります。
でも分かってくると投資信託について知ることが楽しく、もっと知りたくなります。
ぜひ、苦手だと思わず、一つ一つ楽しんで学んでみてください。
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