
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの箭吹雅代です。
人生の節目で見直すことで強い家計を作る家計見直し相談を行っています。
さて、今日のテーマは「 子育て世代のお金の悩み~夫婦の奨学金返済も残っている場合、住宅購入は可能?住宅ローンへの影響は?~」です。
家は人生の中でも大きな買い物です。だからこそ不安でもあり、楽しみでもあります。
住宅ローンを組む場合、大切なのは事前のシュミレーションです。
本当に買っても大丈夫?将来家計が苦しくなることはないだろうか?など考えておくことがたくさんあります。
特に、今既に不安を抱えている場合はまず、不安を取り除いてから前に進みたいですね。
今日は奨学金返済も残っている場合の住宅ローンについて考えていきたいと思います。
もくじ
【シュミレーション】奨学金返済しながら住宅取得を考える
*相談内容は実際のものからはアレンジしています。
本人:35歳
妻:32歳(専業主婦)
子供:9歳
年収:550万円
貯蓄:250万円
奨学金:残約140万円(返済額月14,500円)残り8年
住宅ローン借入予定額:3,000万円(頭金なし/新築購入)
金利:10年固定(0.67%)
現在の家賃:8万円
生活費:月20万円
既に購入したい物件がある場合、それを購入して大丈夫か考えます。
また、貯蓄額が250万円では、諸費用だけで、頭金までは賄えないと思われますので、全て住宅ローンを利用することになります。

【検証】住宅ローンの利用は可能か?
1.借入可能額
住宅ローンを組むときに検討しなければならないものに、「借入可能額」と「返済可能額」があります。
特に大事なのは「返済可能額」ですが、奨学金など借入が他にもある場合は、それもローンに影響してきますので、あまり借入が大きいとそもそも借入可能額が希望金額に到達しないという事もあり得ます。
そこで、借入可能額を確認しておく必要があります。
金融機関にもよりますので、一概には言えませんが、上記条件であれば、希望の3,000万円の住宅ローンを組むことは可能だと思います。
2.返済可能額
返済可能額とは、無理なく返済出来るローンの金額を家計の収支から算出したものです。
こちらの計算は少々骨が折れます。
というのも、現在の家計だけでなく、今後の人生においてどんなことをするのか、どんなイベントが待っているのか、そしてそれらに伴って一体いくら必要なのか、将来にわたって考えていく必要があります。
つまり、現段階で無理のない返済額であるということだけでなく、将来収支が変化したときにも支払っていける返済額なのかまで考えていかなければなりません。
例えば子供の年齢が上がるにつれて将来教育費が増加することもありますし、自身の年齢によって収入が上がったり、場合によっては下がることもあるかもしれません。ある程度家計の変化を予測し、それを考慮した上で無理のない返済計画を立てていくのです。
もう一つ、気を付けなければならないのは、住宅を取得すると、維持費がかかるということです。
賃貸と違って、住宅を取得すると、管理費や固定資産税などの維持費が発生しますので、これらのコストを差し引いて住宅ローンの返済額を考えていかなければなりません。
住宅ローン返済額と維持費そしてもう一つが返済期間。
現在の年齢から考えて返済期間はどうするか。もちろん返済期間が長い方が多く借りられますが、将来家計が苦しくならないように老後生活に入る前にローンは完済しておく方がよいでしょう。
他にも、ある一定の年齢に達すると給与が減少する可能性がある場合は、注意が必要です。

【検証】住宅ローンを組んでも家計は大丈夫?
さて、住宅ローンを利用出来る場合でも、もう一つ考えておかなければならないことがあります。住宅ローンを組んだ後の家計です。
住宅ローンは一度借入れしてしまうと、途中で止めるわけにはいきません。
それは、例え家計が苦しくても、です。
ですので、住宅ローンを利用する前に、現在だけでなく、将来の家計についても検証しておく必要があります。
さて、こちらの家庭については、結論からお伝えすると、3,000万円のローンを組むと家計が厳しくなる可能性が高いです。
しかし、それでは、家を買いたいという気持ちが残ってしまいますね。
そこで、家計をどう変えていくかを優先順に考えていきます。
1.収入を増やす
妻が専業主婦ということですが、妻が働きに出ることで収入アップが期待できます。
この家計の場合、妻が働きに出るとかなり改善されるので、年100万円ほどの収入を目指して働きに出てみてはいかがでしょうか。
子供が9歳ということなので、今すぐでなくても、近い将来仕事を持つことを検討してみてください。
2.生活費
まずは無駄遣いを減らすところから・・・ですが、こちらの家計の場合、実はそれほど無駄な出費がないので、削られるものも限られてきます。
ここで、生活費をむやみに削ってはストレスが大きくなってしまいます。
なので、削ってもストレスの小さいものから着手していきます。
生活費の中には無駄遣いの他に「固定費」と「変動費」があります。
固定費とは、毎月一定額かかる支出を言います。
光熱費の他、スマホやwifiなどの通信費もその一つです。
こういった固定費は、削ってもストレスは小さいものが多いのです。
例えば、光熱費やスマホのプランや会社を変えるだけで月数千円安くなることもあります。
最初こそ、安い会社やプランを探したり、変更や解約の手続きをしたりと手間はかかりますが、一度手続きしてしまえば、あとは何もせずに節約になることが多いので、ストレスにならず、おすすめです。
次に変動費ですが、食費を削ろうとするとストレスが大きいので長続きしないで結局節約にならない、ということも。
なので、無理に削ろうとせず、こちらも無駄がないかを精査するところから始めます。
例えばついつい用もないのにコンビニに寄ってお菓子などを買ってしまう、カフェで毎日コーヒーを買うのが習慣化しているなど、1度の出費はそれほど多くなくても習慣化してしまっていることで、積もり積もって出費がかさんでしまっていることがあります。
1杯のコーヒーは500円だとしても毎日買えば1年で約18万円。こうした習慣を見直すことも節約につながります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
教育費も住宅費も人生において大きな出費です。
そして、それらの支払いは、順番に来るのではなく、同時にやって来ます。
だからこそ、計画的に上手にやりくりすることが重要です。
私の人生に、お金ってどれだけ必要?どうやって使ったらいい?
お金のことは不安だけれど、なかなか周りの人には相談しにくい問題です。
なので、家計のプロ、ファイナンシャル・プランナーに相談してみませんか?
人生は人それぞれであるように、家計もそれぞれです。
自分にあった家計診断をプロに相談してあなただけの強い家計を作ってみませんか。
強い家計は幸せにつながります。
個別のWEB相談も受け付けております。
家計見直し相談
- 教育資金はどのように準備すればよいか知りたい
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- 住宅ローンと教育費の支払いが重なり不安、今後の家計に問題はないか、シュミレーションしてほしい
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